日本製品は海外で高い評価を得ています。

長い歴史を持つ「国産仏壇」もやはり高品質な商品が多いです。
今はお仏壇も海外製が増えていますが、海外製仏壇と「国産仏壇」を比べてみると、やはり「国産仏壇」のほうが優れているように感じます。

とはいえ、海外製仏壇の見栄えに関して問題がある訳でもなく、金額に関しても「国産仏壇」に比べると比較的お求めやすくなっていますので、「国産仏壇」の専門店ではない限り、仏壇販売店に並ぶお仏壇は海外製仏壇のほうが多いのが現状です。

それでもやはり、お仏壇も海外製より国産、日本製を好むお客様がまだまだ多いので、当店では「国産仏壇」の「上置き型」「台付型」それぞれ展示しています。

しかし、「国産」の定義についてご存じのお客様は少ないので、ここではどういう商品を「日本製」や「国産」と言うのかなど「国産仏壇」の定義について解説します。

【仏壇公正取引協議会】

お仏壇の「日本製」「国産」の定義については、「仏壇公正取引協議会」で決められており、当店もこの「仏壇公正取引協議会」の会員です。
この「仏壇公正取引協議会」とは、仏壇の品質表示と原産国表示にルールを設け、不当な二重価格表示を制限することにより、お客様が安心してお仏壇を購入できるよう活動している協議会です。
ちなみにここで決められたルール(定義)については、「公正取引委員会」と「消費者庁」の承認を得ています。

ただし、「仏壇公正取引協議会」で決められているルールは「唐木仏壇」と「金仏壇」のみで「モダン仏壇」や「家具調仏壇」については定められていません。

日本の法律で「国産」や「日本製」表記の定義については定められていますので、「モダン仏壇」や「家具調仏壇」については日本の法律に基づいて表記されているものだと考えられます。

【「国産仏壇」の定義(唐木仏壇)】

「仏壇公正取引協議会」が定めたルール(定義)によると、「国産=全て日本で作られていなくともよい」となっています。

解説の前に、「仏壇公正取引協議会」が考える唐木仏壇の製造工程が下記の通りです。

1.使用木材  お仏壇に使用する木材
2.木  地  木材を選定し、木材を挽き、削り、材料を揃えて組み立てる。
3.宮  殿  本尊を祀る屋根組み
4.彫  刻  柱などの飾り付けに用いる彫刻
5.塗  り  金仏壇の漆塗りなど仏壇の着色作業
6.組み立て、仕上げ  仏壇を組み立てて完成させる最終工程

以上です。

使用木材と2~6の工程が製造にあたっての全工程になります。

一般のお客様の多くは、「国産仏壇」の製造における全工程が日本で施工されているとお考えになると思いますが、仏壇における「国産」のルールはそうではありません。
いくつかの条件をクリアすると「国産仏壇」ということになります。

詳細は下記に記載します。

1.使用木材  日本製ではなく輸入品でもいい
2.木  地  日本で施工されたもの
3.宮  殿  海外製でもいい
4.彫  刻  海外製でもいい
5.塗  り  日本で施工されたもの
6.組み立て、仕上げ  日本で施工されたもの

以上です。

木材に関しては、国産の木材は非常に少なくなっていますので、日本産かどうかの決まりはありません。
3と4に関しては、海外製でも「国産」表記しても問題ないと定義されています。

工程だけで見ると、半分は海外製でそれで「国産」と呼べるのかと疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、実際はお仏壇に限らず、海外製の材料で海外製の部品を使って着色や組み立てを行い、検品して出荷するという流れは「国産」表記されているほとんどの商品に当てはまっています。

やはり商品(製品)は、この組み立てや検品作業が非常に重要で、どちらが緩くとも購入後の不具合や早期破損に繋がります。

わかりやすいところでお話すると、コロナ感染拡大におけるマスク不足で、一般の方がネットなどで直接海外製マスクを購入することが多くなった結果、購入したマスクの不良品がとても多かったとニュースで放送されていました。

これが、海外の組立て(仕上げ)と検品の緩さが招いた結果だと考えられます。

お仏壇については、海外製だからといって不具合や早期破損が多い訳ではありません。
これには理由があり、日本のお仏壇メーカー(日本企業)が出荷前に何度も検品作業を行っているからです。

【お仏壇のネット販売】

ネットはどんどん便利になり、利用者や取引額も年々右肩上がりで増えています。
その影でトラブルも増えているようです。

やはり、先ほど海外製マスクのお話をしましたが、お仏壇でも海外企業が出品しているケースが増えているようです。
そのため、海外企業で購入したお客様からのクレーム(不具合)が多いと聞いたことがあります。
ちなみに「国産」表記も前述した条件関係なく売るための「国産」表記を行っている企業も存在するようです。

そういったネットの被害に合わないための防御策を検討しておいたほうがいいと思います。

ポイントは・・・
1.日本企業で実店舗があるかどうか。
2.「仏壇公正取引協議会」会員かどうか。
3.安すぎる「仏壇」や「国産仏壇」には注意。

以上です。

このポイントを抑えるだけでもネット被害に合う確率を下げることができるはずです。